
- お盆
お盆の由来 ~2~
前回に続いて、お盆のもう1つの由来を書かせて頂きます。
このお話は「救抜焔口陀羅尼経」というお経によるものです。
お釈迦様のお弟子さんで、お釈迦様の説法を誰よりも聴いて
それを一言一句間違えず、覚えていた多聞第一と呼ばれていた
阿難さんが静かな場所で坐禅をし、瞑想をしていたら
焔口(えんく)という餓鬼が現れました。
その餓鬼は痩せ衰えていて、喉は細く口から火を吐き、
髪は乱れ、目は奥で光る醜いものでした。
焔口は阿難さんに向かって
「お前は三日後に死んで、私のように醜い餓鬼に生まれ変わるだろう。」
と言いました。
驚いた阿難さんが、どうしたらその苦難を逃れられるかと焔口に聴きました。
焔口は「それにはわれら餓鬼道にいる苦しんでいる人々、
あらゆる困苦の人々に対して飲食を施し、
仏・法・僧の三宝を供養すれば、汝の寿命はのび、
私もまた苦難を脱することができ、お前の寿命も延びるだろう」
と言いました。
しかしそのような金銭がない阿難さんは、お釈迦様に助けを求めました。
するとお釈迦様は
「観世音菩薩の秘呪があり、一つの器に食物を供え、
この『加持飲食陀羅尼』(かじおんじきだらに)を唱えて加持すれば、
その食べ物は無限の食物となり、すべての餓鬼は充分に空腹を満たされ、
無量無数の苦難を救い、施主は寿命が延長し、
その功徳により仏道を証得することができる』
と言われました。
それを聴いた阿難さんが早速その通りにすると、
阿難さんの生命は延びて救われました。
これら2つの話が混同して、お盆にご先祖様に供養して、
施餓鬼が行われるようになりました。
また阿難さんは相当のイケメンだったようです。